BRUTUS11/1号発売後、当ブログの検索キーワード上位に食い込んだキーワード、
それは「Clever Coffee Dripper」。みなさん気になってるんですねぇ~。
過去にこのクレバーコーヒードリッパーを紹介した記事↓もあるのですが、
■誰でも簡単に、おいしくコーヒーをいれられる器具登場か!?『CLEVER COFFEE DRIPPER』
この記事は正直なところ、面白そうだから紹介してみた!という域を出るものではありません。
せっかくだし買ってみるかー!というわけで購入して試してみましたのでレビュー記事を書こうと思います。
まずはわかりやすい動画から。 とりあえずこの動画の方法で試してみました。
Abid Clever Coffee Dripper from David Walsh on Vimeo.
クレバーコーヒードリッパーの特徴
見た目はよく見る伝統的なドリッパーの形です。フィルターは、この形にフィットするならなんでも使えます。
基本はよく普及しているペーパーフィルターでの利用が楽そうです。
1.底部の弁
↑上:足があるので弁がクローズしている状態 下:カップに置くとオープン
最大の特徴はこの弁の仕組み。普通に置いたときはこの弁がはたらいていて、
お湯が落ちてくるくることはありません。 カップやサーバーに置いたときに、 この弁が開放され、
コーヒーが抽出される仕組みになっています。
2.分解可能
バルブ部分を上から押すと弁の部分が外れます。 衛生的に管理しやすいです。
3.抽出が簡単
フィルターとコーヒーをセットしたら、お湯を注いで軽く混ぜ、4分経ったら カップやサーバーに置いて抽出。
フレンチプレスと同等かそれ以上に簡単な、 放置系コーヒードリッパーです。
4.ペーパーフィルターなら後片付けも簡単
フィルターごとコーヒー豆を捨てて、さっと流しておけばOK。
フレンチプレスよりも圧倒的に楽な後片付けです。
クレバーコーヒードリッパーの、味
そして問題になるのは味。
フィルターは私が個人的に支持しているコットンパワーフィルターを用いて、コーヒーの挽目をペーパーフィルター(みるっこ4番)に合わせた場合とフレンチプレス(みるっこ6番)に合わせた場合で比較してみたのですが、ペーパーフィルターの挽き目の時は、ちょっと抽出が行き過ぎて、少し詰まったような味になってしまいました。フレンチプレスの挽き目の時はちょうどいい味の出方になっていましたので、クレバーコーヒードリッパーは、フレンチプレスくらいの挽目のほうがよさそうです。
ただ味の印象としては、「フレンチプレスを紙で漉したらこうなるよね」というもの。
すっきりしてはいるのですが、少しフレーバーの奥行きに欠ける印象でした。個人的にはペーパーフィルターでのドリップコーヒーよりは好きになれそうですが、クレバーコーヒードリッパーを使うならフレンチプレスで抽出したほうがいいかな、と感じました。フレンチプレスのコーヒーに、粉っぽいとかざらつきを感じる、という人には、おすすめできるドリッパーだとは思います。
かといって金属フィルターとクレバーコーヒードリッパーを組み合わせて使うと、後片付けの手間が正直フレンチプレスと変わらないので、金属フィルターは持っているけどフレンチプレスは持っていない、という人には、クレバーコーヒードリッパーを使うと、ほぼフレンチプレスのコーヒーに近いものが出せると思います。微粉もフレンチプレスに比べれば少し抑えられますからね。
なんともすっきりしない印象ですが、紙の臭いが出にくいフィルターを使えば、そこそこ万人受けするドリップコーヒーに近いコーヒーを、置いておくだけで作れるドリッパーと考えれば、いい具合に既存のドリッパーの隙間を埋める存在として機能するのではないかな、という感想をもちました。
クレバーコーヒードリッパーの優位性
コーヒーの味は好みでフィルターを選択していただければいいとして、
あえてクレバーコーヒードリッパーを使うメリットを上げるとすれば、
1.置いておくだけで
2.ペーパードリップのコーヒーとほとんど同等のコーヒーが作れて、
3.しかも抽出・後片付けが簡単
ということ。アメリカやヨーロッパのバリスタチャンピオンシップでクレバーコーヒードリッパーを使ったバリスタは、この優位性を活かして、カスカラティーやコーヒーを、クレバーコーヒードリッパーを使って抽出しているように見えました。
またオーストラリアのカフェでは、誰でも・どんなコーヒーでも抽出がほとんどぶれないことを活かして、1日数百~1,000杯にも及ぶコーヒーのクオリティを保っているように見えました。後片付けがフレンチプレスよりも圧倒的に楽なので、回転を速くできるんですよね。
逆に自宅用のコーヒーを淹れることを考えると、他の抽出方法に比べて楽しみが少ないので(笑)、あまり積極的に試してみようとしなくてもいいかな、というのが個人的な結論です。検証のため、ふつうのドリッパーにセットできる金属フィルターを購入する口実にはなるかもしれません…!なんて。
というわけで、私の使用頻度は高くなさそうなのですが、やっぱり簡単にコーヒーを抽出することができるうえ後片付けも楽なので、意外とコーヒーを始めたい人には合っているような気がしますね。ここからおうちコーヒーに足を踏み入れる人が増えてくれたらいいなぁ、と思います。
Enjoy easy brewing by Clever Coffee Dripper!